『リトル・バーズ』は、1955年のタンジェ、植民地時代の退廃の最後の砦の一つである有名な「国際ゾーン」を舞台にしています。そこは、悩めるアメリカの社交界デビューを控えたルーシー・サヴェージにとって、様々な意味でカルチャーショックとなる場所でした。厳格な両親から逃れられることに胸を躍らせ、ルーシーはイギリス人の婚約者、ヒューゴ・キャベンディッシュ＝スミス卿との結婚に期待を膨らませて到着しますが、ヒューゴがすでに心を奪われている人物がいることを知る由もありません。ルーシーが自立とアイデンティティを確立しようと奮闘する中、彼女の人生は、このカラフルでボヘミアンな世界の外交官や外国人に奉仕するモロッコ人のドミナトリックス、チェリファ・ラムール、そしてエジプト貴族のアダム・アバザと絡み合っていきます。そして、彼ら全員が、非常に危険な人物たちと深く関わることになるのです。