フィリップは、退職して悠々自適ながらも退屈な日々を送る元警察署長。一方、離婚歴のある元特殊部隊員のケンもまた、人生の羅針盤を失ったような感覚を抱いていた。フィリップとケンは、かつてティーンエイジャーの恋人同士だった。人生はそれぞれの道を歩んできたが、互いを忘れきれずにいた。 数年後、友人の葬儀で、フィリップとケンは旧友たちと共に再会を果たす。通夜の席では、懐かしさと酒が等しく流れ、会話は次第に思索的なものへと移っていく。彼らは「理想的な死」とはどのようなものかについて語り合う。そして、酔った勢いで仲間たちはある約束を交わす。それは、互いがゆっくりと恐ろしい衰退を辿るのを傍観するのではなく、尊厳ある死を演出する、というものだ。つまり、時が来たら互いに死を助け合うのだ。なぜなら、それが彼ら全員が同意する「真実の愛」の証だからだ。 しかし、空想的なアイデアとして始まったことが、やがて衝撃的な現実へと変貌していく…。