緑豊かで日本文化が息づく、近代的な発展を遂げた都市、風祭。この街に住む高校生、天王寺瑚太郎は、そんな街の共有された価値観とは無縁の存在だった。享楽にふけり、お調子者で詮索好きな彼は、自称不良の春彦をからかったり、変わり者の小鳥に淡い恋心を抱いたりして日々を過ごしていた。 自身の身体のあらゆる部分を書き換え、力やスピードを増幅させる超人的な能力を持つ瑚太郎は、当然のようにオカルトに惹かれていく。オカルト研究部の唯一の部員であり部長である「魔女」と呼ばれる千歳佐奈との特別な出会いをきっかけに、瑚太郎は小鳥と、さらに3人の部員――ドジな転校生のちはや、厳格な生徒会長のルシア、そして目立たない存在の静夏――を勧誘し、オカルト部を復活させる。 オカルト部の仲間たちとの共有された冒険を通して、それぞれの部員の隠された秘密を解き明かしていく瑚太郎。しかし、彼を待ち受けるのは、彼にしか書き換えられないかもしれない運命だった。