成績優秀だが、家柄も地位もない、鳳家のお嬢様学校、桜蘭学院高等部に通う藤岡ハルヒ。静かに勉強できる場所を求めて音楽室３号室の扉を開けた彼女は、そこで思いがけず、男装した女子高生たちの社交場である「男子寮」に迷い込んでしまう。 「王子様」と呼ばれる須王環を筆頭に、「影」と呼ばれる藤岡恭弥、「いたずら好き」の常陸院兄弟、「子供っぽい」埴之塚光邦と、その守護者である銛之塚崇。彼らは、退屈を持て余した美少年たちが、学院の女子たちを楽しませるためのクラブなのだ。 慌ててその場を立ち去ろうとしたハルヒは、８００万円もする花瓶を割ってしまい、借金返済のために、その風変わりなグループの雑用係として働くことを余儀なくされる。しかし、彼女の自然な男装、女子への屈託のない態度、そして珍しい庶民という立場が功を奏し、すぐに正式な男子寮のメンバーに昇格。華やかなコスプレ、豪華な食事、そして桜蘭男子寮ならではの、とびきりのお金持ちが繰り広げるスリリングな騒動の渦に巻き込まれていく。