マーク・フォイアスタイン主演のホームコメディ『9JKL』は、彼の実体験にインスパイアされた作品。ジョシュ・ロバーツは、離婚したばかりで仕事の合間の俳優。再起を図るためニューヨークの実家に戻り、両親の住む部屋と、兄夫婦と生まれたばかりの赤ちゃんの住む部屋の間に挟まれたアパートに住むことになる。 ジョシュの愛情深い母親ジュディは、ロサンゼルスに12年住んでいた息子が帰ってきたことを喜び、ドアマンのニックに賄賂を渡して、ジョシュがエレベーターで上がってくるたびにこっそり電話するように頼む。こうして彼女は廊下で息子を出迎えるのだ。 ジョシュの帰宅を喜ぶのは、境界線のない弁護士である、人生のスケールが大きい父親ハリーも同様。彼はハリウッドの「コネ」を駆使して、ジョシュの次の主演作を掴む手助けをしたがっている。 ジョシュの帰宅をからかうのは、ライバル意識の強い兄アンドリュー。彼は成功した外科医で、ジョシュとは違い、干渉してくる両親に「ノー」と言うことに何ら問題がない。アンドリューの妻でハーバード大学卒の小児科医イヴ、そしてロビーでよく時間を過ごす隣の部屋（5A）に住む12歳の少年イアンもいる。 文字通り両側から家族に迫られるジョシュは、何らかのルールを設ける必要があると悟る。なぜなら、愛情深い家族は、いつだって彼のすぐそばにいるのだから。いつだって。